332.引率(インソツ)の字音“リツ”とLead


〜新漢語林で覚える英単語シリーズ〜
古代中国の言葉の音を反映しているとされている漢音、呉音等をたよりに英単語を
暗記して行こうという企画です。武器は電子辞書とネットと想像力です。

りーど


率 1(漢 シュツ  呉 ソチ shuai )
  2(スイ )
  3(漢 リツ 呉 リチ lu )
慣用 ソツ

意味  1率いる、導く、先立つ、にわかに、こだわらない、かるがるしい
    2かしら、おさ
    3わりあい、決まり、法、律
解字 象形。洗った糸の水をしぼるかたちにかたどる。一カ所に引き締める、
   まとまりをまとまりをつけて率いるの意味をあらわし、転じて、数等
   をまとめる、おおむねの意味をあらわす。
  

Lead  /léd(米国英語)/

(…に)導く、案内する、率いる、(誘因となって)気にさせる, 手本,模範.
(問題解決の)きっかけ,手がかり. 主役; 主役俳優,立て役者, (犬などの)
引きひも. 導線; (アンテナの)引き込み線. 鉛 《金属元素; 記号 Pb》.
鉛筆の芯(しん).
from PIE *leit- "to go forth."


引率の率の字音、リツとLeadの音が似ていて、意味が一部同じ。

<関連語>
Lad 
若者、少年、(年齢に関係なく)男、元気のいい男、大胆な男
"one who is led" (by a lord)


<メモ>
我が国での用法は“ひきいる”意味では“ソツ”の音なので、ちょっとピンと来ないが、
現代中国ではこの意味で“Lu”の音も異読音として使用されることがあるらしい。


個人的には引率は“引卒”だと思っていたが、これは誤りとされる。確かに漢和辞典
で卒で“率いる”の意味がない。

Wordでも変換されないな。どうやら、これまで書類などは正しく“引率”で作成して
いたらしい。脳内で変換していたのだ。
この年にして気がつくこの間違い。情けない。。。


印欧語の究極の語源は分らないが、Lineに代表されるLの“真っすぐなもの”
のイメ−ジから“(引っ張るための)ひも”
に繋がる語ではないかと思う。

率の“かしら、おさ”の意味もLeadの“主役”と“引っ張るもの”の意味が
共通している。


後、率の“割合”と言う意味はRateに、ほのかな関係を感じる。
“法”と言う意味ではLeagalだろうか。




331.周囲とCircumference


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周(漢 ュウ(シウ)  呉 シュ zhou )
意味 回り、周囲、行き渡る、手落ちがない、巡る、いたる
解字 指事。甲骨文。金文は方形の箱または鐘などの器物に彫刻が一面に
施されているさまから、あまねく行き渡るの意味。


Circumference /sɚkˈʌmf(ə)rəns(米国英語)
円周、周囲、周辺、周辺の長さ、回りの距離
from circum "around" (see circum-) + ferre "to carry," from PIE root
*bher- "to carry," also "to bear children."


周囲のシュウとCircumferenceのサーで音と意味が似ている。


<関連語>
Circle
円、円周、円形のもの、環、輪、円陣、環状道路
from Old French cercle "circle, ring (for the finger)


Circumstance
(ある事件・人・行動などに関連する周囲の)事情、状況、(人の置かれた)
環境、境遇
from circum "around" (see circum-) + stare "to stand," from PIE root
*sta- "to stand, make or be firm."

Circuitous  /sɚ(ː)kjúːəṭəs(米国英語)
回り道の、回りくどい、遠回しの

Circumlocution /s`ɚːkəmloʊkjúːʃoʊn(米国英語)
回りくどさ、回りくどい表現、婉曲(えんきよく)な表現

Circuit
巡回、迂回路、(電気の)回路、回線、巡回地区、(円状のものの)周囲
from circum "round" + ire "to go"

<メモ>
印欧語はCの回りを囲うイメ−ジからのもの。サークル、サーカスなど関連語
をあげたら切りがない。
関連語のCircuitの“(円状のものの)周囲”と言う意味は、文字”周“の解字と重なる。

語源辞典によれば印欧祖語*ker-, "to turn, bend." との関連がある。
このグループはおそらくこの企画で一番多く取り上げているものだ。



そういえば、サーキットシティという、巨大な家電量販店がアメリカにあっ
たが、倒産したな。ネット販売にやられたのだ。残念ながら、日本のヤマダ
電気も寿命は長くないと思う。
家電量販店はその店でしかダメという付加価値が全くない。

売り方もメーカーに頼りっぱなしで工夫がないのだ。
一番注力しなくてはいけない、接客の部分を低いものと見てメーカーからの
派遣に頼った時点でこの業態の衰退は決まったも同然だった。


今必要とされるのは、信頼できる家電コンシェルジェだろうか。専門家と
ユーザーの視点を併せ持ったコンサルティングになら需要があるだろう。

330.彗星のスイとSweep


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こめt


彗(漢 スイ 呉 ズイ hui(sui))

意味 ほうき、箒(ソウ)、掃く、はらう、ほうき星
解字 象形。先端を揃えた箒をてにする形にかたどり、ほうきの意味を表す。


Sweep /swíːp(米国英語)/

掃除する、掃く、払う、吹きまくる、焼き尽くす、荒れ狂う

from a past tense form of Middle English swope "sweep," from Old English
swapan "to sweep"
from Proto-Germanic *swaip-, from PIE root *swei- "to bend, turn"



彗星のスイとSweepで同じ音で意味も同じ


<関連語>
Sway  
(…を)(前後・左右に)ゆすぶる、振り動かす、 (…の)意見を動かす、
 (…を)左右する、(…を)支配する、統治する
probably from a Scandinavian source akin to Old Norse sveigja "to bend,
swing, give way,"


Swing
(一定点を軸に前後にまたはぐるぐると規則正しく)揺れ動く、ぶらぶら揺れる、
行ったり来たりする、

from PIE *sweng(w)- "to swing, turn, toss"


Swipe
(クリケット・ゴルフなどで腕を大きく振っての)強打、猛打、非難、悪口
携帯端末のタッチスクリーンで、指を左右に滑らせること
Middle English swope "to sweep with broad movements"



<メモ>
彗星の彗は箒、あるいは箒で掃く、だ。

ギターの奏法でスィープ奏法ってのがある。箒で掃くようにピッキングをする
ことで速いフレーズをラクに弾く事を可能にするテクニックだ。
30年くらい前は、まだ特殊奏法だった。
フランクギャンバレ(当時チックコリアバンドのギタリスト)のセミナーに行
った記憶がある。確か、当時はエコノミーピッキングとかいう恥ずかしい名で
呼ばれていた。


関連語を見る限り、SWで”(棒やひも等を用いた)素早く、大きな動き“の
イメ−ジだ。Wの“ちからを込めて曲げる”イメ−ジからの発展だろう。


Swayの多義語には要注意。よく出くわす。“支配する”と“(…の)意見を動かす
は重要だ。


ちなみに、英語でほうき星はCometだ。これは"long-haired (star)," from
kome "hair of the head"。ほうきではなく、髪の長い星ということだ。

読書三昧。5月21日(日)


土日は小説を読んで終わってしまった。コーヒーの飲み過ぎで腹
がだぶだぶだ。

「奇貨居くべし」全五巻 宮城谷 昌光
奇貨居くべし―春風篇

まあ面白いがキャラが立っていないな。「キングダム」の方が
刺激的だ。ラストもあっけないのでカタルシスがない。

次は「晏子」。 これは今2巻の中程まで読んでいる。
後、「重耳」まで購入済だ。1000円程度でこれだけ読めるのだ。
でも、そんなに暇って訳でもない。自重が必要だ。


英語はいつものシャドウイングとボキャビル。気になった単語はこれだ。

Vitriol /vítriəl(米国英語)/
硫酸塩、礬(はん)類、硫酸、しんらつな言葉、こきおろし、痛烈な皮肉
from vitrum "glass"

長崎の“ビードロ”と同じ語源を持つ。ガラスでできたポコペンだ。
びーどろ


古代の錬金術では硫酸を緑礬(硫酸鉄)から生成しており、礬(はん)類は見
た目がガラス状なので“ガラス”という意味を持つようになった。
この緑礬がこの語の根っこだろう。
緑版


ガラスという意味からの発展ではガラス瓶という意味から、
”vitro culture: 試験管内培養”につながっている。

“辛辣”なと言う意味は“硫酸”からきている。

 その後Vitrumの起源まで辿ったのだが、これくらいにしておこう。

329.畏怖とeery


〜新漢語林で覚える英単語シリーズ〜
古代中国の言葉の音を反映しているとされている漢音、呉音等をたよりに英単語を
暗記して行こうという企画です。武器は電子辞書とネットと想像力です。

兎

畏((ヰ)  wei )
意味 おそれる、おそれおののく、いむ、きらう、用心する
解字 会意。甲骨文字。金文は鬼+卜。鬼は普通と違った形のものの象形。卜は鞭の
象形。怪しいものがむちをもつさまから、おそれるの意味をもつ。


Eerie /í(ə)ri/
不気味な、ぞっとするような
from Proto-Germanic *argaz "cowardly, fearful, craven, vile, wretched, useless,"


畏怖のイとeerieで音と意味が似ている。


<関連語>
Eery /í(ə)ri/
気味悪い、不気味、恐怖感を与えるさま

<メモ>
印欧語は擬音起源だ。いやなものを見た時発する声だ。シットコムなんかで
女性が発しているのをよく聞く。
語源辞典によれば、オランダ語、ドイツ語、スウェーデン語等多くの印欧語で、
arg で"bad, wicked,"の意味を持つ。
この原義から“恐怖”の意味には、“異常なもの→恐ろしいもの”の変化があった
とのことだ。

“Arg”からは下記の文字との連携をイメ−ジしてしまう。

悪(アク  e)
意味 わるい、正しくない、好ましくない
解字 形声。心+亜。音符の亜は古代の墓室の象徴。墓室に臨んだ時の心、
   忌まわしい、わるいの意味をあらわす。


そして、原義の“異常なもの”からはもちろん“異”だ。
異(  yi )
意味 ことなる、おなじでない、かわっている、ふつうでない、不思議
解字 象形。人が”鬼やらい“にかぶる面をつけ両手をあげているさまに
   かたどる。それを被るとおそろしい別人になることから、ことなる
   の意味。


個人的には”eel:うなぎ“のイメ−ジで覚えていた。語源的にはもちろん
何の関係もない。
これはギュンターグラスの「ブリキの太鼓」の映画の有名な馬の首から
にょろにょろ出て来るあのイメ−ジがトラウマなのだ。(知らない人は見
ないほうが良いからググったりしないように!)


畏怖の“怖”については125.Abhorと恐怖で取り上げた。






プロフィール

NP  for 木根 徹(Tohru Kine)

Author:NP for 木根 徹(Tohru Kine)
大阪市在住
心の書は「国語入試問題必勝法」と『蕎麦ときしめん」

妄想系の初老の男性
TOEICベストスコアは955。
でも、このところずっと受験していません。

英語がらみでいろいろな妄想を書き付けています。

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