351.御殿のテンとTemple


〜新漢語林で覚える英単語シリーズ〜
古代中国の言葉の音を反映しているとされている漢音、呉音等をたよりに英単語を
暗記して行こうという企画です。武器は電子辞書とネットと想像力です。

ゆめどの


殿 (漢 テン 呉 デン dian )
意味  大きな建物、政務をとる建物、寺院、神殿、しんがり
解字  形声。音符のデンは臀に通じ、台に座った人の象形。殳はうつの意味。
古代、尻たたきの風俗等があり付された。転じて、尻のように安定感のある高殿
を表す。


Temple
 (キリスト教以外の)神殿、寺院、(モルモン教の)教会堂、こめかみ.
PIE root *tem- "to cut", on notion of "place reserved or cut out"


殿(テン)とTempleで音と意味が同じ。


<関連語>
Contemplate
じっくり考える、熟考する、考えている、 (…を)じっと見つめる
From com-, intensive prefix + templum "area for the taking of auguries"


<メモ>
Templeは*tem- "to cut"で、“予言を得る為に切り離して建てた別棟”という
意味だ。聖徳太子の“夢殿”を連想させる。
ググって知ったが、ギリシャのパルテノン神殿等もTempleなのだな。少し意外だ。


この印欧語幹*tem-に対応する文字は“断”だ。123.Epitomizeのtomと断
で取り上げた。


漢字の“殿”は“尻をたたく”が原義だとのことだ。解字では“下部のどっしり
とした建物”くらいの意味だが、それでは“たたく”の意味がわからない。
刑罰を与える、あるいは予言を得るための苦行を行う場所だったのではないか。


なお、関連語のContemplate の意味は連想による発展を見せている。“寺院→
お告げを得るところ→深く集中する→熟考する”だ。


この連想はConsiderの“星を見る→良く考える”と通じるな。
こういう単語は誰が考えたのだろうか。自然発生的なものでは無いと思う。

350.骨(コツ)とAccost


〜新漢語林で覚える英単語シリーズ〜
古代中国の言葉の音を反映しているとされている漢音、呉音等をたよりに英単語を
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ribs.jpg


骨 (漢 コツ 呉 コチ gu )
意味 ほね、遺骨、ひとがら
解字 会意。月(肉)+冎。冎はほねの象形。肉体の核となっているほねを表す。


Accost

(大胆に) 近寄って言葉をかける、話しかける、声をかける
from assimilated form of Latin ad "to" + costa "a rib, side"
from Latin costa "a rib," perhaps related to a root word for "bone"


骨(コツ)とAccostの語源Kost-の音と意味が似ている。


<関連語>
Coast kəʊst(米国英語)/
海岸、沿岸、沿岸地方、太平洋沿岸地方、滑降
from Latin costa "a rib," perhaps related to a root word for "bone"

Cutlet /kˈʌtlət(米国英語)/
(ひき肉・魚肉などの)カツレツ形コロッケ
古期フランス語から (coste 「あばら肉」+‐LET)

Ostracize /άstrəsὰɪz(米国英語)

追放する、排斥する、(古代ギリシャで)陶片追放によって追放する

Oyster

カキ、真珠貝、無口な人、口の堅い人
from PIE root *ost- "bone."
(外殻が骨のように固いからだ。)


<メモ>
直感で判らなければならないこのシリーズで、迂遠な組み合わせは意味がないのだが
ちょっと面白いので取り上げた。


Accostの語源はWeblioによれば、
印欧語根kost- 骨を表す。coastなどの由来として、肋骨・脇。とのことだ。語源
辞典の*ost-より“骨”のイメ−ジに近いのでこちらを採用。


つまり、下記のような発展だ。大部無理がある。自然発生ではなく誰かが面白がって
作った言葉のように思われる。


Kost-(骨)→あばら骨→体の脇→脇から話しかける。



関連語のCutletはトンカツのカツの語源だ。肋骨附近の肉(バラ肉)を使って作って
いたということだな。フランス語のコートレットが直近の語源なので、トンカツの衣
がCoat(コート)なのだとずっと思っていたのだが違っていた。

私の父母の時代、トンカツをカツレツと呼んでいた。横浜には勝烈庵というトンカツの
老舗があってよく連れて行ってもらったのを思い出す。


Ostracizeもちょっと意外だ。陶片ではなく骨片なのだな。白い陶器の破片を骨になぞ
らえたのだろう。



40分
30分以内に一本書くのは本当に難しい。。。

劣化とWretched

厳密には対応していないけどこれで覚えているシリーズ1

これは個人的な感覚によるものが大きいとは思うが、音が似ているだけで記憶に
役立つケースがある。
意味が重ならなくても、漢字と英単語で、イメ−ジの関連を感じることできれば
問題はない。


れち



劣(漢 レツ  呉 レチ lie )
意味 おとる、力が弱い、いやしい、おろか、わずかに
解字 会意。力+少。ちからがすくない意味から劣るの意味を表す。


Wretched /rétʃɪd(米国英語)/
みじめな、哀れな、あさましい
from Proto-Germanic *wrakjon "pursuer; one pursued"
related to Old English wreccan "to drive out, punish" (see wreak).

from PIE root *wreg- "to push, shove, drive, track down"


劣化のレツ(レチ)とWretchedで“劣っている”で“惨め、哀れだ”の連想


<関連語>
Wretch
哀れな人、みじめな人、恥知らず、嫌われ者


<メモ>
意味も成り立ちも異なる2つの語だが、音が“レツ”で似ているので、これを
利用しない手はない。

漢字の“劣る”と英単語の“惨め”“あさましい”はイコールの関係にはない。
だが“劣る”から“惨め”になるという、広い意味での因果関係を感じることが
できる。



こうなってくると、ただの語呂合わせかもしれないが、理屈っぽいタイプの
学習者には駄洒落方式よりしっくりくるだろう。



なお、Wretchは“W”の“力を使って求める”イメ−ジから“浅ましい”、
“力を使って捻る” イメ−ジから、“(苦痛を与える)→惨めにさせる”、
の意味になる、というのが究極の語源だ。

これは唇を突き出し、捻って発音する“W”の発音方法に由来するイメ−ジだ。



349. 雷鳴のライとLightning


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toy-scl2-26128.jpg


雷 (ライ  lei) 
意味 かみなり、いかづち、大声の形容
解字 形声。雨+畾。音符の畾は重なるの意味。いなづまが直線を重ねたように走る
様から、かみなりの意味をあらわす。


Lightning
稲光、電光、稲妻
from PIE root *leuk- "light, brightness."


<関連語>
Elucidate (…を)明瞭にする、はっきりさせる、説明する
form of ex "out, away" (see ex-) + lucidus "light, bright, clear,"

Illumination 照明、イルミネーション、電飾、啓蒙
from assimilated form of in- "in, into" + lumen "light," from suffixed
form of PIE root *leuk- "light, brightness."

Illustration (本の)さし絵、図版、イラスト、例解

Leukemia 白血病
from PIE root *leuk- "light, brightness" + haima "blood"

Luminary 発光体、(知的)指導者、有名人
from Latin lumen (genitive luminis) "light, source of light, daylight,
the light of the eye; distinguished person, ornament, glory," related to
lucere "to shine,"

Luminous 光る、輝く、明るい、明快な、理解しやす
from suffixed form of PIE root *leuk- "light, brightness."

Lucent 光る、輝く、透明な

Lucid  澄んだ、透明な、頭脳明晰、輝く、明るい

Luster 光沢、光彩、つや、輝き、栄誉
from PIE *leuk-stro-, suffixed form of root *leuk- "light, brightness."

Lackluster 輝きのない、どんよりした、活気のない

Translucent 半透明の
from trans "across, beyond; through" + lucere "to shine,"
from suffixed (iterative) form of PIE root *leuk- "light, brightness."



<メモ>
英語では L始まりで“光る”イメ−ジの単語が多い。
これは昔から不思議だったが、究極のLのイメ−ジとして“だらっと下げた舌”から
たれたよだれからのLの“水の流れ”。そこから“反射光”へのイメ−ジに発展とい
うことで個人的には納得している。L 脂、ひも 光る


雷と言う文字の意味は“かみなり”、“いかづち”であり、雷鳴と雷光の意味を併せ
持つ。

雷電という言葉もあるように、厳密には雷は“音”で電が“光”なのだ。
“雷“の対応として純粋な光である”Lightning”はふさわしくなかったか?

だが、文字の解字を見る限りでは”雷“は雷鳴ではなく雷光からできたものだという
事がわかる。雷は雷光の意味ももつのだ。
漢字サイドではこの区別はそれほど厳密ではないのだろう。

一方、英語には雷鳴と雷光を併せ持つ語が無いようなのだ。
大和言葉では"神なり”なので雷鳴が主だろうか。“稲妻”で雷光を表す語も別にある。


雷鳴に対応する英単語は、といえば“Thunder”だろう。
下記のものはどうだろうか。


閃光のセンとThunder

閃 (セン  shan)
意味  ひらめく、きらめく、いなづま
解字  会意。門+人。門の中を人がチラッ通り過ぎるのを見るさまから、ひらめく
の意味を表す。

Thunder
雷鳴、怒号、大きな音を立てる、大声で言う
from PIE *(s)tene- "to resound, thunder"


雷とは逆に、閃は“雷光”の意味しかない。
“雷”と“Ligtning”,”閃”と“Thunder”。嫌がらせのように意味が入れ違いに
なっている。


“Thunder”の”Der”に着目して、下記の文字がうまくはまるかもと期待したがこちらも
残念ながら”雷光“の意味なのだ。

電 (漢 テン 呉 ン dian)
 意味:稲妻
 解字:音符の申は、いなびかりの象形

とはいえ、電のデンは“雷鳴の音”からできた語に間違いない。
ドイツ語では雷はDonner、オランダ語はDonder、フランス語はtonnerreだ。



電がいかづちである事に関連して⒈Divine:神のDは電気(でんき)のD という項目を
作っている。




今回のセットは印欧語と文字(漢字)のそれぞれの概念ががうまく対応していない事が原因
で起きた混乱だろう。






348.雰囲気のフンとPerfume


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古代中国の言葉の音を反映しているとされている漢音、呉音等をたよりに英単語を
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香水


雰( フン fen  )
意味 気、、霜
解字 形声。雨+分。


Perfume  /pˈɚːfjuːm(米国英語)
香水、香料、芳香、におい、香り
from Latin per "through" (from PIE root *per- "forward," hence "through")
+ fumare "to smoke"
from PIE *dheu- "dust, vapor, smoke; to rise in a cloud,
to fly about (like dust)"


雰とPerfumeの語幹Fumeの音と意味が似ている。



<関連語>
Fume
煙霧、蒸発気、いきれ、(刺激性の)発煙、毒気、興奮、怒気
from Latin fumare "to smoke, steam," from fumus "smoke, steam, fume"

fumigation 
燻蒸(くんじよう)、燻蒸消毒(法)


<メモ>
ラテン語fumare“煙,塵、蒸気”はFの“フーッ”と流れる(Flow)、あるいは
“フワフワ”(Fur)のイメ−ジで納得だ。

“雰”は日常用語では“雰囲気”でしか出会った事が無い漢字だ。
漢字には、使いどころが一つしかないものが、けっこうある。こういう点は
あまり合理的でないな。


この文字を見ると、新入社員の頃、雰囲気を“フインキ”と読んでいた同僚を
思い出す。絶対にこの読みが正しいと強気だった。
当時、私は関西に来たばかりだったので、関西弁特有の発音かと思っていた
が、よくある誤読のようだ。


ちなみに、関連語の”fumigation”は英検一級の語彙問題の不正解選択肢として
出題された事がある。


他民族名と英語

LA_teens.jpg


今日Chicaneryと言う単語に出会った。

Chicanery :(政治・法律上の)言い抜け、ごまかし

語源はChicano : チカーノ,メキシコ系アメリカ人 かと思ったが関係なかった。
確かな語源は不明のようだ。
でもメキシコ系アメリカ人の皆さんには申し訳無いが、このチカーノ=ごまかし、
で覚えてしまった。


この単語は違ったが、Slave(奴隷)はSlavs(スラヴ人)が語源だ。他民族名や地名
が特定の意味(多くは良くない意味)を持つことは英語では良くある。
こういうことは日本語ではないだろう。馬鹿ちょんの“ちょん”は朝鮮とは関係ない。

ちなみにJapan は”漆を塗る“。Japは“待ち伏せをする、不意打ちをする。”だ。


今思いつくものをいくつかあげてみる。


Vandalism
芸術の故意の破壊(行為)、暴力行為
from the tribe's name for itself (Old English Wendlas), perhaps from
Proto-Germanic *wandljaz "wanderer."

ローマ略奪で有名なヴァンダル族だ。この名前はスペインのアンダルシアの語源
でもあるという。その名の語源はwanderer;彷徨うもの、だ。確かに東欧から
ローマ、スペイン、北アフリカまでさまよった民族だ。



Baloney /bələʊni(米国英語)/
ばかげたこと、たわごと
perhaps influenced by blarney, but usually regarded as being from the
sausage, as a type traditionally made from odds and ends.

ボローニャ→ボローニャ・ソーセージ→ソーセージ→半端な肉で作る→たわごと、
という変化だそうだ。ちょっとつまらない発展だ。


Laconic /ləkάnɪk(米国英語)/
簡潔な、簡明な、むだ口をきかない
from Lakon "person from Lakonia,"

Laconia (=スパルタ) の人は言葉が簡潔であるといわれたことからだ。



Spartan /spάɚtn(米国英語)
スパルタ式の; 武勇の; 質実剛健な,厳格な.
Sparta:Capital of Laconia in ancient Greece, famed for severity of its
social order,

これも質実剛健と言われたスパルタにちなむ。車の宣伝で“スパルタンな走り”
という表現を聞いた事があるが、どういうことかな?


Sardonic /sɑɚdάnɪk(米国英語)
冷笑的な、人を嘲弄(ちようろう)する、皮肉な
from Latin sardonius "Sardinian," because the Greeks believed that eating
a certain plant they called sardonion (literally "plant from Sardinia,") caused
facial convulsions resembling those of sardonic laughter,


イタリア サルディーニャ島産の”引きつり笑いのような症状を引き起こした後、
死に至らしめる”という毒草”sardonion:毒芹“が語源だ。ドクウツギ、トリカブトと並んで
日本三大有毒植物の一つ。(ウィキペディアより)



Spruce /sprúːs(米国英語)/
こぎれいな、きちんとした、ぱりっとした
A type of leather imported from Prussia

“プロシアから輸入した皮で作ったjerkin:短い上着”から来ている



下記のものは語源辞典には明記されていないが、アヤシイ。


Truculent /trˈʌkjʊlənt(米国英語)/
獰猛(どうもう)な、残忍な、痛烈な、しんらつな
from trux (genitive trucis) "fierce, rough, savage, wild," perhaps from a
suffixed form of PIE root *tere- ( "cross over, pass through, overcome.")


トラキアと関係ないだろうか。Thraciaは、バルカン半島南東部の歴史的地域名。
トラキア人は古代ギリシアやローマ帝国の文献に現れ、当時のヨーロッパでは有数
の人口と勢力を誇ったといわれる。
ヘロドトスの『歴史』には、トラキア人の奇習(火葬、一夫多妻、人身御供、
子売りなど)について書かれている。(ウィキペディアより)


Avarice /ˈæv(ə)rɪs(米国英語),
(金銭に対する)強欲、貪欲(どんよく)
form of avere "crave, long for, be eager," from Proto-Italic *awe-
"to be eager," from PIE *heu-eh- "to enjoy, consume"

アヴァール人と関係があるのではないかと思う。
フンが姿を消してから約1世紀の後、フンと同じく現在のハンガリーの地を本拠
に一大遊牧国家を築いたのがアヴァールである。
モンゴル系の民族なので、印欧語では悪い意味にしかならない。






347.周縁のエンとLimbo


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頂上


縁( エン yuan )
意味 ふち、へり、ふちかざり、もののへり、まわり
   まつわる、えにし、ゆかり、つながり、よすが、因縁
解字 形声。糸+彖。彖(タン=エン)は転に通じ、めぐらすの意味。衣服の縁に巡ら
せた装飾、縁飾りの意味から、ふち、まつわるの意味をもつ。


Limbo /límboʊ(米国英語)
リンボ,地獄の辺土
from Latin limbo, ablative singular of limbus "edge, border"


周縁のエンとLimboの流音落ちの(L)im→エンで同じ意味。


<関連語>
Limb
 肢(し)、(木の)大枝、突き出た部分、へり、周縁
 from Latin limbus "ornamental border, hem, fringe, edge," a word
 of uncertain origin.


Limit
 限度、制限、境界、範囲、区域、我慢できぬほど腹立たしい人
 from Latin limitare "to bound, limit, fix," from limes "boundary, limit"


<メモ>
数十年ぶりにダンテ「神曲」を読み直していて思いついたセット。

Linboは地獄の辺土と言われ、現世とアケロン河を挟んで接している地獄の第一層だ。
地獄からみた辺境ということだ。

ここには異教徒や赤ん坊など洗礼を受けられなかった人達が永遠に留め置かれる。
当然キリスト教成立以前の人類は全員対象だ。

キリスト教成立前のギリシャローマの哲人、詩人でもみな地獄行き。
傲慢な考え方だな。



ちょっと強引だが(L)imboのimと縁(エン)のセットとした。
Limboの辺境のイメ−ジを最も強くもつ漢字が”縁“だと思ったからだ。

その他候補になったのは下記の漢字。流音落ちせずに“Lim”の音で、外界との境界
のイメ−ジを示すものだ。

隣人
隣( リン lin )
意味 となり、互いに接し合っている土地、国など,中間、境を接する
解字 形声。阝+粦。粦は黎(レイ)に通じ、庶民の意味。庶民が形作る、となり
の意味


輪郭
輪(リン lun  )
意味 わ、まるいもの、くるま、めぐる、まわり
解字 形声。車+侖。侖は、筋道がたつのいみ。車の矢が放射状に秩序だって並ん
でいる。わの意味。


臨界
臨(リン lin )
意味 のぞむ、みおろす、その場にいる、近くにある
解字 会意。臥+品。臥は監の上部と同形で上から覗き込む形にかたどる。品は多くの
ものの意味。とりどりのものを覗き込む意味を表す。



60分

346.遮蔽のへイとHeed


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heed.jpg


蔽( ヘイ  bi)
意味 おおう、かくす、へだて、くらい
解字 形声。音符の敝はやぶるのいみ。あるものの姿形をやぶってしまうほど草が
覆うの意味を表す。

Heed  /híːd(米国英語)/
(…を)心に留める、(…に)気をつける,(法律など)遵守する
Old High German huotan, German hüten "to guard, watch"),
from PIE *kadh- "to shelter, cover"


遮蔽のヘイとHeedの語源の“覆う”の音と意味が似ている。


<関連語>
Hat (縁のある)帽子
from PIE root *kadh- "cover, protect"

Whole  全体の、すべての、全…、完全な、無傷の
from PIE *kailo- "whole, uninjured, of good omen"


<メモ>
Hには“全面をおおう”のイメ−ジがある。金属などを磨く時に
“ハーッ”と広い範囲に息を吹きかける行為から生まれた擬音だろう。
“かぶる”の意味がそこから生じている。

Heedの“気をつける”の意味は“(覆って)守る”→“気に留める”“遵守する”
という意味になったものだろう。

Heedは個人的に苦手な単語だ。意味が覚えにくい。


関連語のWholeの語源は、Heal,Healthなどと同じ語源で、Heedとは別系統だが
“全面を覆う”→“完全な”のイメ−ジの変遷から生まれた語だろう。
 また、H⇔K(C)変換の絡みでCoverも同じ流れにある単語だ。



Hのイメ−ジを伝える為には下記のセットにした方が分りやすかったかも。


被服
被(漢 ヒ  呉 ビ  bei )
意味 おおう、かぶせる、こうむる
解字 形声。衣+皮。音符の皮は獣の皮の意味。毛皮のようにおおう夜着の意味を
表し、着るの意味を表す。

Hood フード、ずきん、フード状のもの
from PIE root *kadh- "cover, protect"



50分

345.非難とCondemn


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Damn.jpg


難(漢 ダン  呉 ナン  nan )
意味 かたい、むずかしい、なやむ、なじる、非難する、責める
解字 会意。𦰩+隹。𦰩は火などの禍にあって祈る巫女の象形。隹はとりの象形。
わざわいにあって、とりを備えて祈るさまから、かたい、わざわいの意味をあらわす。


Condemn /kəndém(米国英語)/
強く非難する、とがめる、非難する、責める、有罪の判決をする、 (…に)運命づける
from com, intensive prefix, + damnare "to harm, damage"


難の漢音“ダン”とCondemnの語幹のDamnで音と意味が似ている


<関連語>
Damn 永遠に罰する、けなす、ののしる、ちくしょう!
from derivative of Latin damnare "to adjudge guilty; to doom; to condemn,
blame, reject," from noun damnum "damage, hurt, harm; loss, injury; a fine,
penalty,"


Damage 損害、費用、代価、損害賠償(額)
from Latin damnum "loss, hurt, damage"


Goddam 極度に /ɡɑ́ddæ̀m(米国英語)
You are goddamn right! あなたは、すごく正しい!


<メモ>
Damnの語源は、語源辞典によれば“from PIE *dap- "to apportion in exchange"”
とある。交換時の割当という意味か?ここから何故“非難”の意味となるかについて
の説明はない。
かつては印刷するのもはばかられる、卑語だったとのことだ。

おそらく、怒りのあまり“ダン”と机を叩いたり、足を踏みならしたりした
行為の擬音だ。


この擬音には、下記の漢字も当然関係する。

打(漢 テイ  呉 チョウ(チャウ) da)慣用 




今日やった読解問題で、Condemnの〔+目的語+to+(代)名詞〕〈人を〉〔…に〕
運命づける.
の用法が思いだせなかったのだ。それでこの単語を取り上げた。

べつに須藤凜々花女史のTシャツで思いついたわけではない。

His lack of education condemned him to a lifetime in a menial occupation.
彼は教育を受けていなかったので生涯つまらない職につかなければならなかった.
(Weblioより)

これは“非難”から“追いやられる”のニュアンスだろうか。
Condemnのコアの“破壊、被害”の意味から直接イメ−ジしにくいな。



(50分)



接頭語をいくつか1


共とCo


共(漢 キョウ  呉 グ gong )
意味 ともに、いっしょになって
解字 指事。金文では口が大きなものを両手で捧げる姿をあらわし、ともに事をする
の意味をあらわす。

Co- Com-

meaning "together, mutually, in common,"
from PIE *kom- "beside, near, by, with"


<関連語>
Company 交際、、同伴、仲間、友だち、人の集まり
from Latin com "with, together" + panis "bread," from
PIE root *pa- "to feed." Meaning "companionship"

Co-は“共にある”というのが基本的意味だ。
ラテン語では単なる強意の為に用いられる。これに対応する文字もある。


完(漢 カン(クァン) 呉 ガン(グァン)  wan )

意味 完全、全うする、仕上げる、終わる
解字 形声。宀+元。元は院に通じ、ぐるりと巡らした垣の意味。周囲を垣根で覆い
内部がしっかりと守られるさまから、まったしの意味。


Complete 全部の、完璧(かんぺき)な

from com-, here probably as an intensive prefix , + plere "to fill"



戻とRe


戻(漢 レイ 呉 ライ li )

意味  もとる、そむく、よじる、むごい、至る、行く、来る
解字  会意。戸+犬。戸口にいる犬の意味から、あらあらしい、もとるの意味。
また履(リ)につうじ、至る、踏みとどまるのいみをもあらわす。


Re-
meaning "back to the original place; again, anew, once more,"
from Indo-European *wret-, metathetical variant of *wert- "to turn"

<関連語>
Return 帰る、戻る、回復する、復帰する、再発する
from re- "back" + torner "to turn"


Re-は“もとの場所に戻る”が基本的意味だ。
印欧祖語にもあるが元はWの“捩じれる”イメ−ジを持っている。身をねじって戻って
来るのだ。

漢字では、日本語の“戻る”の意味がメインではないのだな。捻ったり、背いたりが
原義だ。“踏みとどまって”“来る”ことからかろうじて戻るの意味になるようだ。

157.Ply と 戻(ライ)
250.Wryと捩子

プロフィール

NP  for 木根 徹(Tohru Kine)

Author:NP for 木根 徹(Tohru Kine)
大阪市在住
心の書は「国語入試問題必勝法」と『蕎麦ときしめん」

妄想系の初老の男性
TOEICベストスコアは955。
でも、このところずっと受験していません。

英語がらみでいろいろな妄想を書き付けています。

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