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究極の記憶法: [r]音の「擬音」と「ジェスチャー」(その5)真っすぐ移動

言語学の主流からは異端として葬り去られた「言葉の音素にはそれ自体に意味がある」という考え方を改めて主張しつつ、それを利用して「英単語の感覚をつかんで覚える」、という目的のブログです。とりあえず英文雑誌に手が届く1万語レベルを目指しましょう。

実は、言葉を発声するときの口の動きは、イメージを伝えるためのジェスチャーなのです。
ジェスチャーの認識と英単語の暗記に至るまでの、コアとなるアイディアについては企画意図0、企画意図1企画意図2で説明しています。良ければご確認願います。

引き続き、[r]音を発声する時の舌の動きで表現する概念について確認する。
あまり意識しないと思うが、[r]音発声時の舌の動きには”一旦曲げた(あるいは手前に引いた)舌を、元の位置に戻す“というものがある。これにより”まっすぐに動く“あるいは”前方(相手)に力を及ぼす “という概念を表現しているのだ。
この[r]音は英単語の様々なところで、CN(特性音)に意味を重ねているので、そのケースもいくつかピックアップする。

massugu.jpg

<一旦引き戻した舌を次の瞬間、元のポジションに戻す動き>から

a.曲がった状態から、舌を、真っすぐに戻すイメージ

(舌を)まっすぐ伸ばす→前方に移動する、移動させる

<まっすぐ伸ばす>

reach :到着する、着く、届く、達する
from Proto-Germanic *raikijanau, which is probably from PIE root *reig- "to stretch, stretch out, be stretched; be stiff."
印欧語根*reig- "引っ張る、引っ張られた、引っ張られて固くなった"、が設定されている。伸びた舌が対象に到達するイメージだ。
これは、[r]音を発声する際の“曲がった舌がまっすぐに伸びる”というジェスチャーによって表される概念だ。
語尾のchは“着”の音イメージだ。舌先が口蓋に接して出す音だとわかるだろう。この2つの音で”到着する“という意味を作っている。漢字の着(チャク)と同じだから感覚が馴染みやすい。


stretch:(…を)引き伸ばす、引っぱる、(…を)引っぱる、伸ばす、差し伸べる
perhaps a variant of the root of stark, or else from PIE root *strenk- "tight, narrow; pull tight, twist" (see string (n.)).
[r]音の“伸ばして真っすぐ”。[st]音で“停止、固定”[ch]で“終着点”。これらの音から、可動部分の限界まで伸ばして、緊張している状態がイメージできると思う。


stark:こわばった、硬直した、正真正銘の、純然たる、完全な、荒涼とした、飾りのない
from Proto-Germanic *starka- (source also of Old Norse sterkr, Danish, Old Frisian sterk, Middle Dutch starc, Old High German starah, German stark, Gothic *starks), from PIE root *ster- (1) "stiff."
[r]音の“伸ばして真っすぐ”。[st]音で“停止、固定”。これも可動部分を止まるところまで伸ばして、緊張している状態がイメージできるだろう。
stern: 厳格な、断固たる、苦しい、容赦のない、という単語もほぼ同じ意味の発展だ。


rigid:固い  革などを伸ばして弾力性がなくなったイメージ
from Latin rigidus "hard, stiff, rough, severe," from rigēre "be stiff" (from PIE root *reig- "stretch; be stretched; be stiff").


<まっすぐ動く、動かす>
abrogate:廃棄する
from ab "off, away from" (see ab-) + rogare "propose (a law), ask, request," apparently a figurative use of a PIE verb meaning literally "to stretch out (the hand)," from root *reg- "move in a straight line."
ab "off, away from"よそにやるように+印欧語根*reg- "(手を)前に動かす“。
[r]音の“手元から離れて移動する”イメージを元に、”廃棄する“の意味をあらわしているのが分かる。


adroit:器用な、機敏な、巧みな
from Old French à "to" (see ad-) + droit, dreit "right," from Medieval Latin directum (contracted drictum) "right, justice, law," neuter or accusative of Latin directus "straight," past participle of dirigere "set straight," from dis- "apart" (see dis-) + regere "to direct, to guide, keep straight" (from PIE root *reg- "move in a straight line," with derivatives meaning "to direct in a straight line," thus "to lead, rule").
a"対象に向かって”+d”離れて、目標に向かって“+reg”真っすぐ手を動かす、真っすぐ移動する”。
[r]音の“まっすぐ動かす”イメージが“器用な”、“まっすぐ動く” イメージが“機敏な”の意味になっている。
[dr]は複合イメージとして”目標に向かって動く→導く“と考えても良いと思う。


rail:レール、手すり、かきね、鉄道、〔大変きつい調子で〕罵る、抗議する、非難する
from PIE root *reg- "move in a straight line"
[r]音の“まっすぐ動かす”イメージが、真っすぐ伸びた物体そのものを指しているケースだ。
抗議するの意味は[r]音の“力を及ぼす”イメージに[r]音の”乱暴な“イメージが重なってできたものだろう。


correct:(事実に合致して)正しい、間違いのない、正確な
kərékt(米国英語)
from assimilated form of com-, here perhaps an intensive prefix (see com-), + regere "to lead straight, rule"
語源事典では、語根のcomは強意+ regere“ルールに沿う”から“間違いのない”だとある。
[r]音の“まっすぐ動かす”イメージで“正確な”の意味となったものだ。


incorrigible:〔人・性格などが〕矯正できない、救い難い
inkɔ́rədʒəbəlインコラジャバル
directly from Latin incorrigibilis "not to be corrected," from in- "not, opposite of" (see in- (1)) + corrigibilis, from corrigere "to correct," from com-, intensive prefix (see com-), + regere "to lead straight, rule" (from PIE root *reg- "move in a straight line," with derivatives meaning "to direct in a straight line," thus "to lead, rule").
in"否定“+correct”正確な、正す”で“矯正できない”だ。
上記通り、[r]音の“まっすぐ動かす”イメージが“正確な”の意味となったものだ。


surge: 波のように押し寄せる、波打つ、揺れる、わき立つ
from assimilated form of sub "up from below" (see sub-) + regere "to keep straight, guide" (from PIE root *reg- "move in a straight line," with derivatives meaning "to direct in a straight line," thus "to lead, rule").
sub "下から上へ"+*reg- "まっすぐ動く"。下から突き上げて高くなるということだ。
[r]音の“まっすぐ動かす”イメージから、波が突然高くなった大波状態だ。特にグラフでの数値の急増ポイントを指すと思う。
雷などが原因の異常な過電圧や過電流のイメ―ジもある。

right:正しい
from PIE root *reg- "move in a straight line," also "to rule, to lead straight, to put right"
rectで“まっすぐ動く”。意味の抽象化で”正しい“という意味になる。


rectify: (…を)改正する、直す、修正する、調整する、
from Latin rectus "straight" (from PIE root *reg- "move in a straight line," with derivatives meaning "to direct in a straight line") + combining form of facere "to make" (from PIE root *dhe- "to set, put").
rectで“まっすぐ動く”、fyは“~化”で、文字通り”まっすぐにする“。ここから” 改正する、直す、修正する“だ。

rife: 流行して、広まって、いっぱいで、充満して、おびただしくて
from Proto-Germanic *rif- (source also of Old Norse rifr, Swedish river, Norwegian riv, Middle Dutch riif, Middle Low German rive "abundant, generous"), said to be from PIE root *rei- "to scratch, tear, cut."
語源事典では[r]音の”引っ掻く、切り裂く“イメージからの発展かも、とあるが、ピンと来ない。
これは[r]音の“前方に動かす”イメージから”(前方に)拡がる、流行する“という意味の発展だと思う。ただ、”おびただしい“のニュアンスは後の項目で確認する[r]音の”力を及ぼす、支配的な”のイメージが加わったものだろう。この意味での有力な関連語はrichだ。


rare:まれな、珍しい、めったにない、すてきな、生焼けの、レアの
from Latin rarus "thinly sown, having a loose texture; not thick; having intervals between, full of empty spaces," from PIE *ra-ro-, from root *ere- "to separate; adjoin"
[r]音の“前方に動かす”イメージから”(前方に)薄く種をまく“イメージだ。存在が薄くて、めったにない、ということ。上記rifeとは逆のイメージだ。



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プロフィール

NP   篳篥

Author:NP   篳篥
大阪市在住
英語の「不思議だが本当」を追求中。

妄想系の英語学習者。そろそろ学習者を脱したいのですが、道は遠い。
TOEICベストスコアは955。
でも、このところずっと受験していません。

このブログの記事をベースにKINDLE本を出版しました。
買ってもらってありがとう!(泣)
面白いと思います。

一冊250円。unlimited対象です。

漢字で覚える英単語 1: 日本人の脳に直接効く

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