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究極の記憶法: [r]音の「擬音」と「ジェスチャー」(その7)根っこ、展開、増加

言語学の主流からは異端として葬り去られた「言葉の音素にはそれ自体に意味がある」という考え方を改めて主張しつつ、それを利用して「英単語の感覚をつかんで覚える」、という目的のブログです。とりあえず英文雑誌に手が届く1万語レベルを目指しましょう。

実は、言葉を発声するときの口の動きは、イメージを伝えるためのジェスチャーなのです。
ジェスチャーの認識と英単語の暗記に至るまでの、コアとなるアイディアについては企画意図0、企画意図1企画意図2で説明しています。良ければご確認願います。

今回は、<一旦引き戻した舌を次の瞬間、元のポジションに戻す動き>からb.“捩じれた舌“が伸びて広がるイメージで表す英単語について確認していく。丸まったものが、徐々に展開されていくイメージと、解放された力が中心から離れていくというイメージがここのキモ。中心と周縁ということだ。
vegetable_radish_hatsuka_daikon.jpg

b.“捩じれた舌”が伸びて広がるイメージ
[r]音を発声する際の、一旦”曲げた・後ろに引いた“舌を、もとのポジションに戻す、という動きからのイメージだ。

植物の根→中心から放射状に広がる。
曲がったものが、真っすぐ伸びてゆく動きからイメージされる具体物は”植物の根“だ。そこから幹から放射状に広がるという抽象イメージにつながる。

root: (植物の)根、根元、(歯・毛・つめなどの)根、核心、基礎、ルーツ
Old High German wurz, German Wurz "a plant," Gothic waurts "a root," with characteristic Scandinavian loss of -w- before -r-), from PIE root *wrād- "branch, root."
印欧語根*wrād- "枝、根"が設定されている。[w]音は”捩じる“イメージだ。そこから[r]音の”展開、伸びる“というイメージからの語根だ。英単語では語根の語頭のwは脱落しているが、”展開するもの“で根っこのイメージはできる。branch:枝、についても2文字目の[r]音で同じイメージを表す。語頭の[b]音は”膨れる“イメージだろう。


radish:(ハツカ)ダイコン(の根)
from Latin radicem (nominative radix) "root, radish" (from PIE root *wrād- "branch, root").
印欧語圏で代表的な根菜でもあり、印欧語根*wrād- "枝、根"が設定されている。
ラディッシュや大根の形状自体から”根っこが展開“のイメージは湧かないが、”根“が肥大化したものだという認識からの命名だろう。尚、horseradishは西洋わさび、だ。horseは大きなものの象徴。確かにラディッシュよりは大きい。東欧旅行などで日本食が恋しくなった時、ホテルの朝食でスモークサーモンにこの西洋ワサビをつけて刺身だと思い込んで山ほど食べた記憶がある。


漢字では蘿蔔(ラフク):大根の蘿(ラ)を想起する。まあ、あまり一般的な語ではないので記憶の役にはたたないか?自分でもどこでこの単語を知ったか記憶がない。
なお、中国語で大根は「白蘿蔔」。にんじんは「紅蘿蔔」だそうだ。


radiation:放射線、放熱、発光、輻射、放射
from radius "beam of light; spoke of a wheel" (see radius).
中心から、車輪のスポークの様に、放たれる光線というイメージだ。核物質の放射性崩壊によって放出される粒子の線のことを表現するときに使用されることが多い。


radioactive:放射性の(ある)
combining form of Latin radius "ray" (see radius) + actif "active" (see active).
放射能を放出する性質がある、という意味だ。


radius:径、半径範囲、範囲
réidiəs、レイディアス
from Latin radius "staff, stake, rod; spoke of a wheel; ray of light, beam of light; radius of a circle," a word of unknown origin. Perhaps related to radix "root," but de Vaan finds that "unlikely."
中心から周縁への直線距離、ということだ。また、全方位というイメージから”範囲“の意味も持つ。


ramification:分枝、分岐、支脈、支流、(派生する)効果、結果
from Latin ramus "branch" (from PIE root *wrād- "branch, root") + combining form of facere "to make" (from PIE root *dhe- "to set, put").
印欧語根*wrād- "枝、根"が設定されている。[r]音の”中心から展開”イメージから”本流からの分岐“への発展だ。[f]音は”実体化する“のイメージだ。


ray :光線、わずか、少量
from Old French rai (nominative rais) "ray (of the sun), spoke (of a wheel); gush, spurt," from Latin radius "ray, spoke, staff, rod" (see radius).
[r]音の”中心から展開”からで、太陽から放たれる光のイメージだ。
かつては、SFのraygun:光線銃、熱線銃、という用語があったものだが現在は古臭くて誰も使わない。現実にはアメリカはレーザー兵器「ヘリオス」の実用化が近いという。
わずかの意味は一筋の光ほどの、というニュアンスだ。

魚のエイという意味もある。扇の骨が放射状であることから、扇に似た魚ということだ。


種から芽吹いて育つ
このイメージも中心(種)から四方に伸びてゆくイメージだ。
この意味の[r]音は語根の2文字目であることが多く、CN(特性音)ではないものの、英単語の意味の多くを担っているため個別にとりあげてみた。語頭は中心や固まりをイメージする[c]音・[g]音だ。

grow: 成長する、伸びる、生長する
from Proto-Germanic *gro- (source also of Old Norse groa "to grow" (of vegetation), Old Frisian groia, Dutch groeien, Old High German gruoen), from PIE root *ghre- "to grow, become green"
語頭の[g]音のコアイメージは”力“だ。”グッと握って力をいれる“、“ググッと盛り上がる”というイメージ。
[r]音は”展開“なので、”力強く展開“→”成長する“ということ。特に植物の成長のイメージが元にある。


creature:生き物、(特に)動物、牛馬、家畜
from PIE root *ker- "to grow."
create:創造する、からの語。印欧語根*ker-"成長する"が設定されている。
語頭の[c]音のコアイメージは”核“だ。[r]音は”展開“なので、生命の核である”種“からの発芽をイメージして”成長するもの”→”生き物“という意味に発展したものだろう。


crew:一般乗組員、(飛行機で運航乗務員以外の)乗務員、(ボートの)クルー、ボートチーム、仲間
from Latin crescere "to arise, grow"" (from PIE root *ker- (2) "to grow")
もう使われない元の意味は、軍隊への増援、ということだ。規模の増加を”展開“の[r]音が表現している。
そこから「特定の仕事に従事する人々のグループ」という意味に転化。コアメンバーに対する、追加のメンバーなので主要業務は任されない下級スタッフのイメージ。


固まったものが分かれて広がる→自由になる
[r]音には単純に”打撃、破壊“のニュアンスがあるのだが、ここでは“四方に飛び散る”イメージに注目する。

rout:敗走、潰走(かいそう)、大敗北、完敗
from Vulgar Latin *rupta "a dispersed group," literally "a broken group," from noun use of Latin rupta, fem. past participle of rumpere "to break"
[r]音は”展開“なので、敗北した軍がそのまとまりを失って散り散りになった様子を表している言葉。


rupture:破裂、決裂、断絶、仲たがい、不和
rʌ́ptʃər、ラプチャ
from past participle stem of rumpere "to break," from PIE root *runp- "to break"
印欧語根*runp- "破壊する"が設定されている。
破壊され分断された様子→破裂、を表す言葉だ。


corrupt:(道徳的に)堕落した、邪悪な、わいろのきく、汚職の
from assimilated form of com-, here perhaps an intensive prefix (see com-), + rup-, past participle stem of rumpere "to break," from a nasalized form of PIE *runp- "to break"
元の意味は”完全に破壊、破裂“で、[r]音の”散り散りになる“イメージから、自らを律する道徳心がバラバラになったという意味の発展だ。


abrupt:不意の、突然の、ぶっきらぼうな
from Latin abruptus "broken off," also "precipitous, steep" (as a cliff), also "disconnected," past participle of abrumpere "break off," from ab "off, away from" (see ab-) + rumpere "to break," from a nasalized form of the PIE root *runp- "to snatch"
語源は“離すように”+“叩く、切り裂く”→いきなり四方に飛び散る(破裂)、のイメージ。


bereave:奪う、失わせる
from Old English bereafian "to deprive of, take away by violence, seize, rob," from be- + reafian "rob, plunder," from Proto-Germanic *raubōjanan, from PIE *runp- "to break" (see corrupt (adj.)).
語頭のbeはby。語根の頭の[r]音で”壊して分離“。
分離によって失う、意味。


fragment:破片、断片、かけら、断章
from Latin fragmentum "a fragment, remnant," literally "a piece broken off," from base of frangere "to break" (from PIE root *bhreg- "to break").
[r]音で”壊して分離“から破片。広がって飛び散るイメ―ジだ。
語頭の[f]音は帯気音[bh]からの変化で打撃イメージの音だ。


fragile :壊れやすい、もろい、虚弱な、かよわい
/frˈædʒəl(米国英語)/ フラジャル
from root of frangere "to break" (from PIE root *bhreg- "to break")
発音は、外来語になっている“フラジャイル”でも通じると思うが、辞書に載っている発音は“フラジャル”なのでこれで覚えるべきだ。
[r]音で”壊して分離“から破片。広がって飛び散るイメ―ジだ。荷物送付用の段ボールなどに貼ってある割れたグラスのシールでおなじみだ。”壊れ物在中“ということだ。空港の作業員なんかは悪意をもって荷物を放るから、こんなマークは気休めだ。



これまでも、何度かリマインドしたが、このブログは単なる語源解説を行っているのではない。私が実際に行っている「音を発声する時の口の中の動きとイメージを結び付けて単語を覚えるという手続き」を言語化しているものだ。
読者の皆さんも実際の発声は不可欠のポイントだ。


今朝は鶏肉のカツだ。卵とかではなくマヨネーズでパン粉をまぶして、揚げ焼きしてみた。味見してみたら結構うまかった。これはラクなのだが普通のカツのほうが好きかな。
それとナスの塩焼きが付け合わせ。
味噌汁は昨日の残りにカイワレを一つまみ。



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プロフィール

NP   篳篥

Author:NP   篳篥
大阪市在住
英語の「不思議だが本当」を追求中。

妄想系の英語学習者。そろそろ学習者を脱したいのですが、道は遠い。
TOEICベストスコアは955。
でも、このところずっと受験していません。

このブログの記事をベースにKINDLE本を出版しました。
買ってもらってありがとう!(泣)
面白いと思います。

一冊250円。unlimited対象です。

漢字で覚える英単語 1: 日本人の脳に直接効く

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