149.Caroと 膾


〜新漢語林で覚える英単語シリーズ〜

古代中国の言葉の音を反映しているとされている漢音、呉音等をたよりに英単語を暗記して行こうという企画です。
武器は電子辞書と白川静先生の文字学の入門書と想像力です。

前回の炒めるに続いて、料理シリーズに挑戦する。
「羹に懲りて膾を吹く」の膾(なます)だ。



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膾(漢 イ (クヮイ)呉 ケ kuai)
意味 生の肉を細く切ったもの。

Caro 生肉、筋
Latin caro "meat" PIE root *(s)ker- (1) "to cut"

カは生肉だ。

関連語
Carnivore 肉食者[生物], 肉食獣.
Carnival 謝肉祭,カーニバル
Carrion (動物の)腐肉,死肉.
Carnage 大虐殺.
Incarnation肉体を与えること,人間化; 具体化,実現.

<メモ>
中国の料理法で私が知っているのは、高校の漢文にもでてくる膾(なます)だ。

カイとカロで同じ意味で”なま肉”だ。
古代中国では、料理の一種だった膾も印欧世界ではただのなま肉として料理とは見なされ
なかった
のがわかる。

これは、ビックリだ。私的には興奮で跳び上がる。
だが、誰にも自慢できないので、こうして読む人もないブログにアップする。。。。


Caroの語源はまたもやScar(切る)の登場だ。肉の切り身ということなのだ。


とはいえ、西洋人に肉を生で食べる習慣がないわけではない。

現代ドイツにおいて豚の生肉は普通に食されている。名前がわからないのだが、タルタルステーキの
ような特別な料理ではなく、塩で味を付けた豚の生のひき肉をパンに塗りたくって食べる。どこでも
売っている調理パンだ。これがかなり美味い。


ドイツ人から寄生虫の話などきいたことがない。それより卵を生で食べると言うと目をむいて驚く。
サルモネラ菌の方が彼らには危険なのだ。


関連語のカーニバルは謝肉祭。
carrotは人参だが、人の肉のcarが入っているのが分かる。

ちなみにカニバリズム(cannibalism)は肉と関係はない。
これはかつて調べたところジンギスカンのカン(汗)だ。西洋人にとっての悪魔なので納得。
「あの残酷なモンゴル人ならやりそうな事」、ということだ。
だが、モンゴル人は食人の性癖が無いのでこれは濡れ衣だ。

喫人(食人)は漢人の習慣だ。それは水滸伝とか読んでもわかる。孔子も人肉を食ってたとのことだ。






人口に膾炙するという言葉がある。
膾はなます、炙は炙り肉でいずれも味がよく、人々がよく口にするという意味だ。転じてよく人々の口に上る言葉という意味も持っている。

膾については、すでにCaroとの関連を見た。


Grill と膾炙

炙(セキ シャク zhi
意味 あぶる、やく、炙り肉、怒る
解字 会意。肉+火。にくを火の上に置き、あぶるの意味を表す。


Grill  (焼き網・上火で焼いた)焼き肉[魚].
PIE *kert- "to turn, entwine."


<メモ>
「流音脱落」で現代音のzhiとの関連が認められる。

Grill-Gi-ジ-zhi だ。

印欧語はもちろんジュージューの擬音由来なのだ



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プロフィール

NP  for 木根 徹(Tohru Kine)

Author:NP for 木根 徹(Tohru Kine)
大阪市在住
心の書は「国語入試問題必勝法」と『蕎麦ときしめん」

妄想系の初老の男性
TOEICベストスコアは955。
でも、このところずっと受験していません。

英語がらみでいろいろな妄想を書き付けています。

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